独立少年合唱団。

2000年11月16日
見に行ってきましたよ。はるばる梅田まで。
ネタバレになるので此から見る予定の方はご注意。
10:30から始まるのに10:14にJR大阪駅着。北口から出ないといけないのに南口から出てしまい,しばらく彷徨って「梅田スカイビル」の看板を発見いたしました。地下道を通って行けば良かったらしいんですが地下道の入り口が発見できず時間ロス。
近くに見えてなかなか近づけないビルを目標としつつ、遠回りして10:40頃にやっと到着いたしました。帰りが遅くなるのが嫌だったんで、初め切れましたが途中から見ることに。
幸い、始まって直ぐだったようで内容的には大丈夫でした。

看護婦が「あ、トーテンクロイツ」という少し前から。折れ線グラフを書きこんでる所です。
明るいシーンになって、場内を見渡したらけっこう沢山の人がいて驚きました。もっとマイナーなのかと。平日ですし、レディースディとかでもないのに。

あれ、一人で見てたら絶対からだ動かしまくってたでしょうね。きっと。なんかブツブツ云ったりして。
合唱に興味のある人には、とんでもなく良い映画だったんじゃないでしょうか。
加えて、あのレトロな雰囲気。革命。台詞。
配役が良く,子役の演技がすごく良かったので物語りにスッととけ込めました。

見終わった瞬間、まだ周りに人がいたので呼吸が保てました。入るときは焦って見えていなかったのですが、出入り口前でパンフを売っていたので買いました。小説本とサントラも売っていました。パンフが在るかどうかも絶望視していたので、大変嬉しかったです。(財布と相談するまでもなく、小説とCDは買いませんでした)
問題は、その後です。ビルを出てから、駅までの間。
足がどんどん速く動き、呼吸が大きくなり、目が震え、唇が冷たくなりました。比例して心臓も大きく脈打ちます。
高揚。興奮。絶望。悲哀。ぜんぶの感情に呑みこまれそうだった。この日記に書くことを必死に考えていないと、映画に対して解析していないと押し潰されそうだった。

革命。

今,合唱と同様に最も僕を引きつける言葉。
彼女は、それによって死んだ。少年は、彼女の死を見つめ東京へと想いを馳せた。
そして、散った。
皮肉なエンディングだった。
僕は、少年・・・康夫がどうなったか知りたくもないし知ろうとも思わない。興味は在るが。知ったらそこで、全てが終わってしまいそうだから。
電車の中で、パンフを開いた。
見たいという気持ちと、ピリオドを打ちたくないという気持ちを抱きながら。
最初の評論。
「康夫が死の直前に・・・」とあった。
彼は死んだ?僕はその時まで本当の本当に、彼は死んでいないと思っていた。微塵の欠片すら、生に疑問を抱いていなかった。
彼の見ていたものは走馬燈。それは解った。
でも、彼は死んじゃいない。起きあがったもの。来年もコンクールに出るんだろう?
・・・・僕の中で何かが変わった
ような気がする。
でも、彼は死んじゃいないよ。絶対に。
そして、彼、康夫の声。素晴らしい歌声。吹き替えではないと、思っていた。パンフの、また別の人の評論に「彼の声は、少年の声に近い男声のファルセットによる吹き替えだろう」とあった。「違うだろ」と本気で思った。
ある雑誌にあった監督と脚本家のインタビューを見て、吹き替えはまず無いと思ったのに。パンフのキャストを見たら、「康夫の歌声」とあった。
裏切られたような気分だった。
確かに、劇中ところどころ胡散臭いシーンは在った。初めて聴いたときは、変声前の少年の声ではなく、大人の声だとも思った。
そりゃそうだ。素人であんなに声が続く奴がいるならお目にかかりたい。
それから、最後の「ポリュシカ・ポーレ」。
コンクール時よりも断然声が良くなっていた。彼らが成長したのだと思った。少し加工して、よく聞こえるようにしたのだと思った。独立学院の少年達が唱っていると思った。
これも、パンフを見て気付いた。
<<ポリュシカ・ポーレ合唱:淀川工業高校グリークラブ>>
<<指揮:高嶋昌二>>
どこに高嶋先生が関わっているのか、気になってはいたんだ。合唱指導は他の人になっているし。
まさか最後もまた裏切られるとは。
信じすぎた僕が悪いのか。
合唱指導は、かなり厳しくやっていたと聴いた。
だから、あれぐらい上達するのでは、と思った。
世の中甘かった・・・・・。
まぁ良いさ。淀工が聞けたのだから。
あれは、昨年度のメンバー?それとも今年度?どうでも良いが。

パンフは、未だに全部を読んでいない。
対談や、撮影日誌のようなものもあると云うのに。
全てを読み終えた時、僕のなかでも康夫はおろか、道夫さえ居なくなってしまいそうで怖い。

合唱に携わった人間なら誰しも康夫になりうる。
僕も一歩違えば彼になっていた。
今ならそれも良いか、なんて思う。

来年の今頃には小屋が完成していることを願って。

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